アルカーイダ人質ジェルマノー氏が殺害、モーリタニア軍に仏軍加担が引き金か?
中東の衛星テレビ放送局アルジャジーラによると、フランス人捕虜ミッシェル・ジェルマノー氏(78)は過激派イスラム・マグレブ諸国のアルカーイダ(AQMI)に殺害されたと25日深夜に報告された。先週モーリタニア軍が行ったAQMI襲撃作戦にフランス軍が加担したために殺害されたらしい。サルコジ大統領は明朝に安全防衛閣議を開くという。
22日、モーリタニア軍によるアルジェリア国境近くのマリ領サハラでのAQMI基地襲撃作戦では、6人のメンバーを殺害し4人を敗走させていた。モハメッド・ウルド・ボイィル内務大臣はモーリタニア軍側には被害は何も無かったと発表している。
23日このモーリタニア軍による戦闘にはフランス軍の電子技術の支援があったと伝えられた。が、同日モーリタニアの外務大臣はモーリタニア軍の戦闘はAQMIの殲滅が目的であって、フランス人の人質解放は目標に入ってないことを明確に指摘して混同を避けていた。アルジャジーラの衛星放送でジェルマノー氏の殺害はこの23日に流されたと中東問題専門のギイゼン・インターナショナル・ニュースでは25日報道していた。
24日には、フランス政府筋からの発表だとして夜のフランス国営放送・テレビA2は、モーリタニア軍の戦闘には仏軍兵士20人から30人がジェルマノー氏の解放のために参加していたと発表した。
25日、モーリタニア政府はフランスのこの報道を指摘して、モーリタニア軍の過激派イスラム・マグレブ諸国のアルカーイダ(AQMI)への襲撃にはフランス軍兵士は一人も参加していなかったと宣言した。これはフランス政府の発表を修正するかたちとなって大きく食い違った。25日の夜のフランス国営放送・テレビA2ではフランス外務省ではAQMIからの捕虜(アルカイダの)釈放の正式な要求を受け取ってないとの発表があったと報道されている。
フランス人ミッシェル・ジェルマノー氏(78)は、人道支援でアフリカで学校建設などにかかわっていたが、4月29日、ニジェールでAQMIに誘拐されて、マリへ移送されていた。同氏の住んでいたパリ郊外のエッソンヌ県マルクウシィ市では先週の水曜日頃から同氏の顔写真入りの看板を掲げて支援活動を呼びかけている。
市民の多くが支援の署名に参加し、それはテレビやラジオでも広く報道されていた。
市庁舎の前の肉屋の右脇に住む背の高い青年はバカンスに出発する準備をしていたが、質問してみた。「自分はジェルマノーさんには会ったことがない。が、みんなはごく普通の人であるといっている」と語った。明日26日までにアルカーイダの要求する捕虜(モーリタニアなどに捕まっている)の釈放をしなかったらジェルマノー氏は殺害されるのは知っていますか?と聞くと、「もちろんだ、でも政府は何らかの交渉をするだろうと思う」と答えた。
近くの公園で友人と話していたモロッコ人ムスタファさんに同じ質問をした。彼は20人近い使用人を持っていたのだという。「私はだいじょうぶだと思う。みんなと同じで、不幸、馬鹿げた暴力には反対だ、人々を悪くするのには反対だ。気分が悪くなる」と答えた。
町は商店も教会も人がいない。みんな休みで閉まっている。フランスを「日曜日の国」と呼んだ人がいるが、日曜日とバカンスが加わるとトリプルの静寂の底に突き落とされた異様な感じが漂う。人の温かみを突き放したような不思議な世界でマリ国のどこかにいるミッシェル・ジェルマノー氏のことを思った。
社会や経済や政治のシステムが行き詰まり世界中で大きな危機に苛まれているのは、それを行う人間の思想や宗教が狂ってきているからだ。また、人間の持つ思想・宗教・哲学の是非を指摘することを近代の学問や科学が意識的に拒否し回避してしまったその責任は大きい。どんな精密な化学も学問もわれわれの世界のイデオロギーからは無縁ではいられない。ここに介在する誤りを批判できずに、逆に容認する思想が蔓延することで天変地夭(てんぺんちよう)の後には、今度は自然災害を越えた飢饉疫厲(ききんえきれい)が続くことになってきた。宗教・哲学の是非を論ずることもなくまたその認識もなく、どこでもなんでも神社・仏閣など宗教施設なら参拝して、「鎮護国家」「世界平和」を祈願すれば助かるというのは大きな誤りだ。これでは残念ながら、人々の生活を再び破壊させさらに苦しませる原因を深めることに加担するようなものである。
「TOBITAのフランス旅日記」http://franettese.blogspot.com/
もご覧ください。




