アルカイダ人質のジェルマノー氏追悼集会、仏の小さな町マルクウシィで400人が参列


インタビューを受けるマルクウシィ市長オリベエ・トマ氏、背後にジェルマノー氏の遺影 (写真撮影/筆者2010/07/29)

29日予定されたフランス人ミッシェル・ジェルマノー氏(78)を追悼する集会が19時からパリ南部のエッソンヌ県の小さな町マルクウシィの市庁舎前でおこなわれ市民など400人ほどが集まった。

夕刻から始まった式には村の人々は家族連れで集まった人も多い。いつもよりは小奇麗にして正装まではいかなくても村の人々は静粛な儀式だと受け取って参加していた。多くの人はジェルマノー氏を知らないという。実際に会った人は数えるほどらしい。

そこから、「同氏が控えめな人で、目立った英雄的な行為を嫌っていたという人柄が推測されるのだ」と市の広報担当のアニエス・ブレジィンスキーさんは言う。しかしジェルマノー氏にはスキーの友人などもいたのだと話す。

同氏はフランス南西部のアキテーヌ地方の出身で北フランスにもいたことがあると語った。

市長は挨拶に立ち「皆様に集まって頂き感謝しますと挨拶の言葉を述べた」

市長は夏のバカンスから帰ってきたばかりで真っ赤に日焼けしていた。うつろな眼差しで静かに話す人だ。わたし(筆者)の質問に、「ジェルマノー氏はアルカイダに殺された」、「フランス軍兵士はモーリタニア軍の作戦に参加していた」と答えている。

アフリカの子供たちを支援するアソシエーション「ENMILAL」のイボンヌ・モンチコ会長はジェルマノー氏との友情を語った。「どこでジェルマノー氏には出会ったのか」とのわたし(筆者)の質問には、「皆既日食が2006年の3月にニジェールであり、そこに出かけていった。その時に知り合った」と語った。

アソシエーション「ENMILAL」は、2006年12月に結成されたニィジェール共和国の子供たちの就学化を援助する組織で学校建設と読み書きなども援助している。

「ENMILAL」のイボンヌ・モンチコアソシエーション会長が撮った写真

「その時に、二人でアフリカ支援のアソシエーションをつくることにしたのです」といった。今日の集会にアルプスの首都グルノーブルから駆けつけてきた。

イボンヌさんはジェルマノー氏と最後の旅をした時の写真だとしてわたしに見せてくれたのは、ニジェールでの写真で左側がジェルマノー氏で中央が当地のアソシエーション会長のアビディノウリ氏だという。

村(ビラージュ)の人々に混じって、バカンスでマルクウシィ市を訪れているのだという高齢の男性が会場の端っこに一人佇んでいた。訪ねると、「40年前の昔しにこの町に住んでいた。以来バカンスによく来るのだという」、自分は右で市長とは党派が違うが今日の式に参列したのだという。

「まだ死亡が確定しているわけではない」、「ひょっこり帰ってくると、本当にうれしいのだが」と話した。

トーマ市長とモンチコ会長(写真撮影/筆者2010/07/29)

ジェルマノー氏の死は、7月中旬にモーリタニア軍による過激派イスラム・マグレブ諸国のアルカーイダ(AQMI)襲撃作戦をマリ領で展開したのを、フランス軍が援助したということで、報復として、フランス人人質であった同氏が殺害された。同氏の殺害はアルカイダ捕虜釈放を条件に既に26日までにフランス側のモーリタニアなどへの介入がなければ殺害を執行する宣告がなされていた。これに対し仏外務省は正式なアルカイダ側からの捕虜釈放の要求は受け取ってないと発表していた。

同氏の死亡宣言はアルカイダ側が23日夜に中東の衛星テレビ局アルジャジーラを通して宣言された筋書きと同じだ。この発表を基にして26日朝の閣議後にサルコジ大統領がミッシェル・ジェルマノー氏の死亡宣言を出している。

エルベ・モラン国防大臣の27日夜のフランス国営放送・テレビA2での発言で、大臣は質問に答えて、フランス側はジェルマノー氏の死亡証拠は何も無く、中東の衛星テレビ局アルジャジーラで報道された、アルカイダ側からの殺害宣告に基づいてなされたことを明かしている。

ジェルマノー氏の家の取ってに置かれたささやかな花束(写真撮影/筆者2010/07/29)

追悼集会の後でミッシェル・ジェルマノー氏の家に寄ってみた。家は以前と同じく閉ざされたままだ。入り口の木戸の取っ手には誰かが飾った小さな花束が置かれていた。その花は質素で野草のようでもあり可憐であった。同氏を知らないわたしだが、一瞬だけ足がふと動かなくなった。

アソシエーションENMILAL

http://www.enmilal.org/

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飛田正夫記者のプロフィール

社会や経済や政治のシステムが行き詰まり世界中で大きな危機に苛まれているのは、それを行う人間の思想や宗教が狂ってきているからだ。また、人間の持つ思想・宗教・哲学の是非を指摘することを近代の学問や科学が意識的に拒否し回避してしまったその責任は大きい。どんな精密な化学も学問もわれわれの世界のイデオロギーからは無縁ではいられない。ここに介在する誤りを批判できずに、逆に容認する思想が蔓延することで天変地夭(てんぺんちよう)の後には、今度は自然災害を越えた飢饉疫厲(ききんえきれい)が続くことになってきた。宗教・哲学の是非を論ずることもなくまたその認識もなく、どこでもなんでも神社・仏閣など宗教施設なら参拝して、「鎮護国家」「世界平和」を祈願すれば助かるというのは大きな誤りだ。これでは残念ながら、人々の生活を再び破壊させさらに苦しませる原因を深めることに加担するようなものである。
「TOBITAのフランス旅日記」http://franettese.blogspot.com/
もご覧ください。

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