リール裁判所はロマ人排斥に違法判決、欧州審議員は仏に同化政策を要求 

リールの行政裁判所は8月31日にフランス北部地方県庁が拘置した子供も含む7人のロマ人の国外排斥を違法と認定した。ロマ人たちはフランス国内で重大な犯罪をしているわけではなく、公共の秩序を脅かしているものでもないと判断した。他人の土地に無断でバラック小屋をたてて住んでいたものでこれは国外退去に値しないというものだ。ロマ人を集団的に烙印(スティグマ)して国外排斥を企てたフランス政府に逆行した判決となっている。フランス側のロマ人排斥に関する公聴会の後に、出席したビビアン・レディング欧州審議会委員からはコメントはなかった。公聴会の前に、特にブリュクセルの欧州審議委員からのロマ人の人権に関する判断は基本的には何も変更はないとする内容の発言が行われている。

31日にブリュクセルの欧州審議員がフランスからエリック・ベッソン移民省大臣を召集してロマ人の扱いで説明を受けた。同大臣はフランスは欧州の規則に即してロマ人の国外排除をおこなっており、集団的な排除はないとしている。しかしこれまで特別機でパリ・シャルル・ドゴールやリヨンの飛行場から数十回に分けてルーマニアへむけて、今年だけでも9000人近くが送られている。

ロマ人による自主的なルーマニア帰国なので強制追放ではないと同大臣はいっている。しかし、審議会側の考えにはフランスがロマ人を機動隊によってバラックの住居を立ち退かせ長時間にわたり拘置したあとで、彼等がもとの住居に戻ると、そこにはブルドーザーで倒壊された瓦礫しかないという。そういう中で一人300ユーロ(約3万6千円、子供は100ユーロ)の帰国手当てと集団移送の飛行機の提供がなされる。これは強制退去とあまりかわらないという疑問が残る。欧州審議会では強制退去があったかどうかを調査することにした。

同審議会では、彼らロマ人はヨーロッパ市民であり他の域内の国の人々となんら差別をしてはならないとする立場である。たとえば英国人が3ヶ月間フランスを旅行して帰国してもなんら問題はないのと同じである。それをロマ人が同様にしてはならないという理由はなにもないとして、フランス側のロマ人差別がヨーロッパ域内での自由な人の往来の権利を制限することになるのを心配している。またそのヨーロッパの規則をフランスが勝手に独断すべきではないという考えだ。排斥ではなくてロマ人への同化政策を考慮すべきだとしている。

飛田正夫記者のプロフィール

社会や経済や政治のシステムが行き詰まり世界中で大きな危機に苛まれているのは、それを行う人間の思想や宗教が狂ってきているからだ。また、人間の持つ思想・宗教・哲学の是非を指摘することを近代の学問や科学が意識的に拒否し回避してしまったその責任は大きい。どんな精密な化学も学問もわれわれの世界のイデオロギーからは無縁ではいられない。ここに介在する誤りを批判できずに、逆に容認する思想が蔓延することで天変地夭(てんぺんちよう)の後には、今度は自然災害を越えた飢饉疫厲(ききんえきれい)が続くことになってきた。宗教・哲学の是非を論ずることもなくまたその認識もなく、どこでもなんでも神社・仏閣など宗教施設なら参拝して、「鎮護国家」「世界平和」を祈願すれば助かるというのは大きな誤りだ。これでは残念ながら、人々の生活を再び破壊させさらに苦しませる原因を深めることに加担するようなものである。
「TOBITAのフランス旅日記」http://franettese.blogspot.com/
もご覧ください。

「良い記事」と思った!
Loading ... Loading ...

この記事にご意見板は設置されていません。



▲このページの上へ戻る