鹿児島・阿久根市長の新たな暴挙と竹原・阿久根市長リコールの提案

 神山玄太記者が鹿児島県阿久根市長の新たな暴挙ともいえる市条例《専決処分》についてすでに記事にされていますが、私も「私の視点」からこの問題をとりあげてみます。

「鹿児島県阿久根市 市長が専決処分の強硬策」(2010年5月9日)
http://www.janjanblog.com/archives/1883

 今月8日に鹿児島の友人から「しばらく阿久根市長問題も鳴りを潜めるかと思っていましたが、またやりたい放題のことを始めました」というメールがありました。この新たな「やりたい放題のこと」については多くのマスメディアが記事にしています。その中から毎日新聞と朝日新聞、南日本新聞の各記事のURLを下記に掲げておきます。

■鹿児島・阿久根市長:「専決」で条例制定 「独裁宣言と同じ」市議批判(毎日新聞 2010年5月7日 西部夕刊)
http://mainichi.jp/seibu/seikei/news/20100507ddg041010011000c.html
「市議会出席を拒否している鹿児島県阿久根市の竹原信一市長が、4月27日に「花火規制条例」を専決処分し告示したことが7日分かった。地方自治法によると、緊急を要する場合に、専決処分が可能。議会側は「議会無視で独裁につながる」と反発している。」(以下、略)

■阿久根市長「必要な施策は専決処分で」 市議らに警戒感(朝日新聞 2010年5月7日) http://www.asahi.com/politics/update/0507/SEB201005070003.html
「鹿児島県阿久根市の竹原信一市長が課長会の席上、『必要な施策は専決処分で進める』との方針を明らかにしたことが、わかった。どのような案件を念頭に置いているかは具体的に説明しなかったが、市議からは『また議会を無視するつもりか』『6月議会を招集しないという宣言では』と警戒の声が上がっている。 」(以下、略)

■阿久根市長「必要施策は専決」 議会無視と批判の声(南日本新聞 2010年5月7日)
http://373news.com/modules/pickup/index.php?storyid=23792
「阿久根市の竹原信一市長は6日の課長会で、必要とする政策について専決処分で進めると明言した。既に3月定例会直後に条例を専決処分としており、一部市議は「議会無視で首長の暴走につながる」と批判している。」(以下、略)

 以下は、その鹿児島の友人に宛てた手紙の形式をとります。

 ○○さん

 今回の阿久根市長・竹原(もう呼び捨てにしますが)の専決処分は、「議会を招集する時間的余裕がない」(自治法第179条)わけではなく、「仕事は迅速にやるべきで、議会にかけたら時間がかかる」(毎日新聞 2010年5月7日付)という理由であえて議会を召集しないわけですから、明らかに地方自治法に違反する事態だと思います。こういう事態における専決処分は無効である旨、すでに裁判においても判決が出ています。

「本件専決処分は時間的余裕がないためにやむなく行われたものではなく、市議会の議決を免れることを意図してされたものと評価されても致し方ないというべきである。したがって、本件専決処分については、『普通地方公共団体の長において議会を招集する暇がないと認めるとき』という要件を充足しないから、これによって制定された本件改正条例は,効力を有しないというべきである」(銚子市職員調整手当請求事件 平成19年3月9日 千葉地裁 民事3部)
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20070704095740.pdf

 したがって裁判という手段に訴えれば勝訴は確実だと思われますが、裁判は上告まで視野に入れれば長期にわたることが予想されますし、またこの問題は直接市長の失職につながるような案件でもありません。阿久根市長の常軌を逸した行動を一日も早く終焉させるためにはやはりリコールが近道だと思います。

 同市長が再選されたのは昨年の5月31日。したがって、来月1日になれば1年間のリコール禁止期間はクリアされます。ただし、地方自治法には、リコール請求と国政選挙や自治体選挙の期間が重なる場合、同期間(政令で定める期間)内はリコール請求のための署名活動はできない旨の規定がありますので(自治法74条6項、同81条2項)、実際にリコール請求ができるようになるのは2か月強先の今年7月25日の参院議員任期満了後以降のことということになります。しかし、この2か月強の期間は同市長リコールのための格好の準備期間として位置づけられるもののように思います。そういう意味で、2か月強先を含む《いま》がリコールに打って出るチャンスだと私は思います。

 朝日新聞の「阿久根市長 支持集めるわけ」という記事(2010年2月6日付)によれば、議会では多数派(16分の12)を占めている反市長派の議員は「これまで2回の不信任決議の結末がトラウマ」になっていて、不信任決議案の提出、リコール運動の提起などの市長解職のための「動きは鈍い」ということです。しかし、いまのいまという段階でそういう及び腰であってはならないと思います。昨年5月の出直し市長選では反市長派は阿久根市長に562票差まで迫る健闘を見せたのです。さらに昨年5月の段階といまとでは格段に状況も違うはずです。阿久根市長の常軌を逸した行動を連日のように批判的に報道してきた(それは同市長が連日のように常軌を逸した行動をするからにほかならないのですが)マスメディアの影響ということも当然あるでしょう。昨年の5月段階とは比較にならないほど竹原市長に対する市民の視線は厳しくなっているはずです。

 私はいまがチャンスだと思います。阿久根市の市民と議員はこれまでのトラウマを克服して、いまリコールという手段に打って出るべきだと思います。

 リコールということになれば有権者の3分の1以上の署名が必要ですし、署名集めが成功したとして、その請求の60日以内には住民投票も行わなければなりません。これはリコール運動側にとっては大変な作業といわなければなりませんが、逆にいえば竹原リコールの運動の意志が(それは「民主主義」の意志が、ということでもあります)市民の間に確実に拡まっていくまたとないチャンスともなりうるものでしょう。

 勝算はおおいにある、と思います。上記の機運が阿久根市で大きくなっていくことを私は期待します。

参考記事:
■「ヤッホー! 市民派市長再選される」という呆れた投稿について―阿久根ブログ市長の「革命」と橋下大阪府知事の「革命」の危険な類似性(「草の根通信」の志を継いで 2010年3月29日)
■「阿久根市長 支持集めるわけ」という見出しの朝日新聞の記事(同上 2010年3月29日)
■鹿児島・阿久根市長糾弾集会の報道と参加記(転載)(同上 2010年3月29日)
■阿久根市を私物化する阿久根市長は逮捕されるべきです!!~阿久根市人事 公平委無視、1人降格 自治労は刑事告発検討(同上 2010年3月29日)
「良い記事」と思った!
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