浜岡原発震災回避への道スタート/中部電力決断への後押しを
総理大臣からの停止要請という形で、ようやく浜岡原発震災への危機が回避されようとしている。どこよりも強力な一歩であり、心より歓迎する。
しかし中部電力は未だ昨日の取締役会で結論に達しなかったとしている。昨日の各種報道を見れば当然である。朝刊各紙は、役員会前に届く。重荷を担いでよろめきつつ歩き続け、足元のおぼつかなくなった中部電力に、「安全のためまず止まれよ」とようやく声がかかった。そこへ国の原子力政策だの夏の電力不安だの他の原発の停止だの、次から次へと更なる重い荷物をつみあげた。
首相は、浜岡原発の閉鎖を要請したわけではない。津波対策を初めとして中長期的な安全対策が完了するまで、とりあえず営業をストップするようにと指示したに過ぎない。それに伴う課題は、危険性への手立てが充分か否かも含めて、これから充分時間をかけて議論すればいい。そういう主旨だ。
ショックの大きさは当然だ。ともかく突然の決定なのだから、関係者の声を拾えば、そうした大小の疑義が噴出するのは当たり前だ。各方面にただならぬ影響が生じるのだから。そんなことは百も承知で要請を発したはずだ。
首相は「政府としても最大限の対策を講じる。省電力、省エネルギーの工夫で必ず乗り越えていけると確信している」とし「全国民の理解と協力があれば、夏場の電力需要に充分対応できる」と呼びかけた。その根拠を取材し報道してもらいたかった。
今最優先すべきは、中部電力が要請を受け入れられるように、手を差し伸べることだ。1日も早く、1時間でも早く止めてもらいたい。今突然東海地震が発生しないとも限らない。
ここまで到達しておきながら、何であの時ぐずぐずしていたんだろうか・・・・などと後で嘆いても始まらないではないか!
取締役会で停止を躊躇する意見に応える手当てを、政府はじめ外部からも早急に試みる。首相の指示は、危機管理、危機回避である。経営問題とは次元が異なるのに、経営上の難題を並べられては適わない。そのためには税金投入も当然だ。それこそ東電への支援ではなく、中部電力への支援をこそ政府は打ち出すべきだろう。
もちろん中部電力も、東電の轍を踏むことと比べれば、これまで危険な綱渡りのなかで上げてきた利潤から、応分の負担を負うのは当然であろう。阪神・淡路大震災以後、とくに柏崎刈羽被災以後の各方面からの声に耳を傾けず、営業を続けてきた上、5号機を増設した責任はある。株主とて同じだ。東電を見よ。
しかし、一国の危機を回避するため、どうしてそれを1事業者に負担させるのだ。
電気事業者には、地域独占と引き換えに供給義務が課せられている。首相の指示に法的根拠がないとするなら、供給義務も超法規的対応をすればいい。
静岡県知事は「大英断」と歓迎した。県民の声を代弁したものと受け止めてほしい。
まずは止める。議論はそれからだ。
JANJAN市民記者として、主に原発関係について2004年から書いてきた。
このほど、それら過去記事を全文収録し、新たに3.11直後のドキュメント(JANJANブログから)および今は立ち入り禁止区域となった双葉郡で住民とともに巨人東電に立ち向かった記録を序章として追加した『浜岡 ストップ!原発震災』(野草社)を著した。発行は新泉社、1500円+税 全200頁。

