唖然“SPEEDI”!「住民より先に米軍」「避難判断に使わず」
「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)」による予測情報が日本国民に初めて公表されたのは、事故後10日以上経った3月23日であった。
しかし、何と米軍には事故直後の3月14日に提供されていたことが、17日の文科相の記者会見で明らかになった。
さらに翌日の18日、何と原子力安全委員会の作業部会は、「SPEEDIは信頼性が低いため使わず、実測した放射線量などをもとに判断する」という見直し案をまとめたという。
昨年12月27日に発表された政府事故調査委員会の中間報告では、第7章「問題点の考察と提言」で、「SPEEDIが避難指示の意思決定に活用されず、指示は『ともかく逃げろ』というに等しく、きめ細かさに欠けた」と指摘されていた。
http://www.tokyo-np.co.jp/feature/tohokujisin/nucerror/report1226/index2.html
この「SPEEDI」については、これまでも、「IAEA国際原子力機関には事故直後から報告されていた」とか、「3月12日未明には官邸に送られ首相の視察の判断に使われた」とか「官邸の担当部局にファクスは来ていたがその段階で止まっていた」とかと、いろいろと取り沙汰されて来た。
しかし、いずれにせよ、「国民の為は決して使われなかった」ことだけは“明らか”である。
さらに19日には、東京電力が「福島第1原発で原子炉の状況を監視する国の装置の非常用電源が4カ月間外れ、昨年3月の同原発の事故まで放置されていた」と発表した。
この装置から送られたデーターはSPEEDIに送信され、放射性物質の拡散予測に使われることとなっていたのだが…。
文部科学省原子力安全課の原子力環境防災ネットワークのHPでは、「SPEEDIとは」の中で、
「万一、原子力発電所などで事故が発生した場合、収集したデータおよび通報された放出源情報を基に、風速場、放射性物質の大気中濃度および被ばく線量などの予測計算を行います。これらの結果は、ネットワークを介して文部科学省、経済産業省、原子力安全委員会、関係道府県およびオフサイトセンターに迅速に提供され、防災対策を講じるための重要な情報として活用されます」とされていた。
http://www.bousai.ne.jp/vis/torikumi/030101.html
しかし、現実には、「予測計算」は行われていたものの、「関係道府県に迅速に提供」され「防災対策を講じるための重要な情報として活用」されることはなかったし、そもそも、「データ収集」すらままならなかったのであった…。
国が155億円を投じて開発した、原発の状況を監視する「緊急時対策支援システム(ERSS)」。
そのデータが“SPEEDI”に送信され、放射性物質の拡散予測に使われる筈だったのに、事故4カ月前の設備更新工事で、ケーブルが短かく非常用電源に接続できず放置され、“本番”には使えなかった…。
当の“SPEEDI”の開発にも100億を超える巨費が投じられ、毎年の運用にも10億円が使われているという…。
そして、挙句の果てには、原子力安全委員会は、「SPEEDIは信頼性が低いため使わぬ」と来た…。
ちなみに、この原子力安全委員会の委員は、衆・参両院の同意を経て内閣総理大臣により任命される常勤の特別職国家公務員であり、年収は1,500万円を超えるという。
委員5名は元東大教授の班目委員長をはじめ、旧“国立”大や独法・公益法人のOBである…。
国家公務員や“準”公務員の「天下り先」ではあるまいか?
昨年の5月2日、細野首相補佐官(当時)は、“SPEEDI”の放射能拡散試算図5千枚を公開することを発表した際、これまで公開しなかった理由について、「公表して社会にパニックが起こることを懸念した」と説明。
「不完全でもしっかり国民に開示して説明を加えるのが本来の姿。公表が遅れたことを心よりおわびする」と陳謝したのだが…。
事故直後の3月18日、日本気象学会の理事長は学会ホームページで、学会関係者が不確実性のある情報を出すことは「いたずらに混乱させることになりかねない」と指摘し、「防災対策の基本は信頼できる単一の情報に基づいて行動すること」とし、放射性物質の拡散予測結果などの公表を控えるよう求めたという。
学会員の一人は「学会は官僚主義的になってしまっている」と指摘したという…。
政府や業界の意向を“忖度”した学者達が学会の理事となり、政府や業界の委員会の委員となり、退官後も関連団体の理事に「天下り」していく…。
「原子力ムラ」の面々が、国民の税金や電気料金により、学会や関連団体に巨額の資金を落として開発・運営された“SPEEDI”。
しかし、“門外漢”の「事故調査委員会」から、「避難指示の意思決定に活用されなかった」と指摘されると、作業部会の見直し案で「SPEEDIは信頼性が低いため使わぬ」と開き直る原子力安全委員会…。
核燃料が何処にあるのかも分からずに「事故収束」を宣言し、市民を締め出して「ストレステスト」で安全性を認め、再稼動にひた走る野田政権…。
「消費増税」の免罪符として特別会計や独法の「削減」という名の整理統合を進めるというが、「原子力ムラ」の解体は手付かずである…。
安住財務相を先頭として、全国各地で「社会保障と税の一体改革」の説明会を開催し、“消費増税”に「ひた走る」野田政権だが、先にやることがあるのではないだろうか…。
1960年生まれ。北日本の一地方在住。一次産業を主とする“地方”の復興のため、明治維新から続く中央集権・官僚主導の国家体制の“CHANGE”を志す。
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政府官僚、原子力村の学者・バカセなら、こんこと平気でやる神経の持ち主かもしれませ ん。 「犠牲のシステム 福島・沖縄 」(集英社新書)を読んでいます。
高橋 哲哉さんは、さすがと思いました。「戦後責任論」、「靖国問題」を読み
氏は、所謂 まじめな技術者レベルでは、気がつかないこと鋭く抉りだしています。
「放射能飛散予測情報」を国民が知らないうち、米は外務省経由で知っていたのです。
一体、何処の国の政府なのでしょうか!?
国民の命より米兵の命が大切なのでしょう。
何のために大金を注ぎ込んだ施設なのでしょうか。
公民を愚弄するもいい加減にしろ!と言いたい。
テント村のガソリン発電機が危険と撤去したが、未だ責任を果たしていない原発の被害・危険はその比ではなかろう。原発の爆破原因も特定できない中で、原発再稼働や20年延長など言語道断である。そもそも、さんざん嘘をつき情報隠しをしている組織にそんな判断をする権利も信用もない。