林田力のコラム レクサスで東急トヨタが結び付き
トヨタ自動車は2010年7月1日、高級車「レクサス」などにエンジン部品の欠陥があると発表した。走行中にエンジンが停止する恐れがあるとする。このため、国内で9万台、海外で18万台、合計27万台を対象にリコール(回収・無償修理)を実施する。日本では7月5日にレクサスの「LS460」など8車種のリコールを国土交通省に届け出た。
トヨタは今回問題となった欠陥を約2年前に認識していた。しかし、「不具合の発生は稀」として、部品を切り替えるだけでリコールは実施しなかった。これは強い批判を浴びたプリウスのブレーキ欠陥と同じ展開である。企業体質に問題があることを示している。
私はトヨタの大量リコール問題について、市民メディア上で数多くの記事を発表してきた。その中には韓国語に翻訳され、韓国の雑誌に掲載された記事もある(林田力「韓国誌がトヨタ自動車大規模リコール問題を紹介」PJニュース2010年4月21日)。
http://news.livedoor.com/article/detail/4727602/
私が市民記者となった契機は東急不動産だまし売り裁判であった。新築マンションだまし売りという不正を許さないという思いが出発点となった(林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』ロゴス社、2009年)。記者の中で東急リバブルや東急不動産の問題を追及する記事が多くを占めていることは当然である。
これに対して、大量リコール問題には強い問題意識がある訳ではなかった。インターネット上で流布する無責任なトヨタ擁護コメントへの対抗という程度の問題意識であった。それでも追及していくうちに東急不動産だまし売り裁判との共通点を見出した。大量リコール問題は些末な技術論や感情的な日本叩きの被害妄想によって歪曲されがちであるが、本質的には消費者問題である。
東急不動産だまし売り裁判は東急不動産(販売代理:東急リバブル)が不利益事実(隣地建て替えなど)を隠して新築マンションをだまし売りしたことが問題であった。大量リコール問題はトヨタが欠陥を認識していながら、すぐにリコールすることなく、販売を続けたことが批判されている(林田力「【オムニバス】トヨタ自動車のリコール問題は、だまし売りが争点に」JANJAN 2010年3月19日)。
http://www.janjannews.jp/archives/2909239.html
このように両社の企業体質には「だまし売り」の点で共通性が存在する。しかも具体的な接点もある。東急不動産が文京区小日向で計画するマンション「小日向プロジェクトII」は近隣住民から反対運動を起こされている。
東急不動産は「小日向プロジェクトII」建設地をトヨタ系列の販売会社レクサス小石川販売から隣接地の空中権付きで譲渡された購入したことを盾に、近隣よりもずば抜けて高い建物を建設しようとしているためである。反対住民は地元企業でありながら、東急不動産の景観破壊に手を貸す形となったレクサス小石川販売の企業姿勢も批判する。ここでは東急不動産とトヨタの問題が結びついている。
今回は市民記者の大先達である安住るり記者風のタイトルとした。
東急不動産消費者契約法違反訴訟を描いたノンフィクション『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』(ロゴス社、2009年)の著者です。

