原爆ドーム前で「生存のためのメーデー」今年も開催
「生存のためのメーデー広島2010」が、5月2日(日)、原爆ドーム前で開かれました。
2008年以降、毎年5月2日に「生存のためのメーデー広島」を開催しています。このメーデーは、北は北海道から南は熊本まで、全国で開催されている「独立系メーデー」の一つです。
2010年の全国独立系メーデー一覧(終了分含む、随時更新)
http://hiroseto.exblog.jp/12429818/
反貧困・独立系の「生存のためのメーデー2008in広島」開催
http://www.news.janjan.jp/area/0805/0805036294/1.php
「生存のためのメーデー」 原爆ドーム前で開催-JanJanニュース
http://www.news.janjan.jp/living/0905/0905032612/1.php
連合や全労連といった大きな労働組合も、それぞれこの時期、メーデーを開催されます。それはそれで大事です。しかし、もっと「一人一人が参加した」という実感を持てる場、社会や政治に声を届ける場を、とわたしたちは考え、このメーデーを呼びかけています。 「なくそう貧困・届けようあなたの声!「エライ人だけでつくる日本」から「みんなでつくる日本」へ」がわたしたち実行委員会の合言葉です。
2008年、2009年とも、原爆ドーム前でフリートーキングを行なった後、デモに出発するという形式を取っています。ちなみに、2008年のメーデー主催者が、多重債務などに取り組んでおられた弁護士会のみなさんなどに合流し、2009年2月に「反貧困ネットワーク広島」へと発展しています。
「子どもの貧困」を考える 「反貧困ネットワーク広島」1周年で講演会
http://www.janjannews.jp/archives/2717824.html
生存権確立の春を!反貧困ネットワーク広島設立 -JanJanニュース
http://www.news.janjan.jp/area/0902/0902076996/1.php
■福山でも初開催
2010年からは、県東部の福山市でも初めて独立系メーデーを開催しました。福山では4月29日に実施。室内でのミーティングと、福山駅前での街宣を実施しました。今回は、「とにかく、福山でもやる」という趣旨でしたので、準備不足でしたが、参加者が数人と少なかった分、参加者からつっこんだお話も聴けました。
■政権交代後初のメーデーに
今回は、政権交代が実現して初めてのメーデーとなります。もちろん、経済的な貧困の広がりはひどかった。その上で旧政権が「聞く耳を持たない」で「エライ人」だけで物事をこそこそと決める状態に陥っていたのではないでしょうか?そのことが、2009年の衆院選で「国民の生活が第一」をマニフェストで掲げた民主党が圧勝し、歴史的な「政権交代」を実現した背景のひとつではないでしょうか?
「政治は、政治家や官僚にまかせておくものではなく、国民の皆さん一人ひとりが考え、発言し、行動することによって変えていくものです。どうぞ、どしどしご意見を下さい。」という民主党のスタンスには、大変共感いたします。そこで、メーデー参加者の皆様の政府・与党に対しての声を、おおまかな形で「メーデー宣言」に実行委員会としてまとめました。
さらに、個別に皆様に、メーデー当日に出たご提案やメッセージを別紙にまとめ、民主党広島県連に届けたいと思います。
メーデー宣言
http://hiroseto.exblog.jp/12577314/
今年のメーデーの特徴は「福山開催」と、「政府与党への具体的な働きかけ」でしょう。
■少人数ながらも多岐にわたって民主党政権への注文
原爆ドーム前で参加者は次々と主催者が用意したマイクを握ったり、あるいは実行委員会のメンバーに話をするなどして、民主党・政府への要望を伝えました。
その後、デモをスタート。少人数ながらも、『政権交代したからといって、ただちにものごとがよくなるわけではない。しかし、あきらめてもいけない。政治はエライ人まかせではなく、国民が自ら形をつくり、行動するもの』などと呼びかけました。そして大通りでは「生存権を保証しろ!」などと叫び、最後まで歩きました。
マイクを握った人以外からも次々と意見や現場の実態が出されました。
生存のためのメーデー広島2010参加者の声(3)
http://hiroseto.exblog.jp/12574881/
生存のためのメーデー広島2010参加者の声(2)
http://hiroseto.exblog.jp/12574833/
生存のためのメーデー広島2010参加者の声(1)
http://hiroseto.exblog.jp/12574724/
雇用対策、官僚改革、原発、核廃絶、基地問題、税制など、提言の分野は多岐にわたりました。
■民主党に喝 国民にも喝 国が率先してワークシェアを
松岡さんという男性は、覆面をかぶって演説。
「昨年の衆院選で、自民党から民主党に政権交代したのは、声が届きにくい人の声がとどくと期待したからではないか?」と提起した松岡さん。
「しかし、その期待に民主党はこたえているのだろうか?今ならば修正は可能である。」とつづけました。
その上で、原口総務大臣の「国家公務員採用半減」を以下のように批判しました。
「エライ人の厚遇にまず切り込み、若手の雇用をつくるべきである。」
その上で、労働者派遣法改正案を審議した「労政審議会」などにも矛先を向けました。「働くルールを作る人(労政審議会)の労働者代表は、男性正社員ばかりである。3分の1が非正社員なら、非正社員の人も、3分の1は意思決定に関われるようにしないといけない。」
その上で以下のような労働政策の転換を提言。
「雇用のフレキシビリティー(流動性)を、とよくいわれる。しかし、まずは、セキュリティーが先である。雇用を増やすには新しい産業を創るのもいいが、もっと着実な方法がある。長時間労働をなくすことである。残業をなくし、有給休暇を完全取得すれば、100万単位で雇用が生まれる。
しかし、ルールを守るための労働基準監督署の執行体制が不備である。10年に一回、検査に回れればいいほうである。これを、毎年一回、消防検査の感覚で労働基準監督署が回れるようにすればいい。」
その上でかえす刀で「国民にも喝」を入れました。
「参院選挙では、永田町の論理になれた人ではなく、一人でも多くの新人を送り込んでほしい。小泉(元総理)の罪は、国民を思考停止状態にしてしまったことにある。今、いろいろと混乱しているように見えるが、民主主義では、いろいろな意見が出るのは当たり前である。」
■現政権の原発推進姿勢に厳しい声
鳩山総理は、温室効果ガス25%削減のため、原発推進を掲げています。これに対しても、批判の声が出ました。
増田千代子さんは、「民主党は、原発を、二酸化炭素削減のために進めています。海外にも原発の販売を閣僚自ら進めています。」と現政権の原発推進姿勢を指摘。
その上で、「原発は、二酸化炭素は出さないが、放射能・放射性廃棄物をたくさん出します。ウランを採掘するときから、ヒバクを生み出してしまいます。」と原発の問題点を指摘。
「被爆地の広島の市民は、上関に原発を作らせてはいけないと思います。上関原発を作ったら、現地の美しい自然が壊れてしまう。希少な生物が田ノ浦には多くいます。」と訴えました。
そして、「わたしたちは、原発で作った電気を使いたくはありません。
日本には資源がないというが、自然エネルギーをたくさんつくれるポテンシャルがあります。太陽光や風力もあるし、日本は山や川が豊かなので、小型水力発電などの余地もあります。」とエネルギー政策の転換を訴えました。
■NTT契約社員・・・「派遣」が支える「利益日本一」
NTTグループは、トヨタを抜いて、利益日本一になりました。その、実態はどうなのか?元正社員の契約社員が実態を報告してくれました。
「自分は、定年退職後、契約社員となっています。そのNTTの広島支社では、いまや、女性社員の99%が、派遣社員です。もちろん、男性でも正社員は少ないのです。
わたしの属しているグループでも、12人中、正社員はわずか3人で、5人が派遣社員、4人が契約社員という有様です。
もちろん、派遣といっても、家族を扶養している人から、親元から通っている若い人までいろいろいます。しかし、派遣社員は、子どもがいるシングルマザーでも、扶養手当も出ません。5年務めても、時給が10円上がるかどうかという程度です。
毎年3月になると、雇用継続の可否のの通知が会社から来ます。みな、それが気になって仕方がなくなります。雇用継続が決まると「やれやれ首がつながった」とほっとするという状態です。
派遣社員といえば、本来は、とくに忙しくなったときの助っ人であるべきなのですが、現実には年中彼女らがいないと仕事が回らない状態です。
電電公社時代には、ほとんどの社員が正社員でした。わたしは、非正社員で希望する人は、日本郵政がしているように、正社員にすべきだと思います。
また、民主党を支持しているNTT労組も、そのような運動を組むべきだと思います。RCC(中国放送)でも、昔は、とくに多くの女性が非正社員ですが、労組が闘争をして、正社員にさせました。そういうことが、これからも必要だと思います。
大きな労組の主催するメーデーでは、「普天間基地問題」がメインテーマになっているところもありました。それはもちろん大事です。しかし、労組である以上、足元の貧困問題をもっと取り上げるべきではないでしょうか?そのような見解でシングルマザーの方と一致しました。
なお、人数が減らされる中、正社員も大変です。最近では、東大や京大、阪大などのいわゆる一流大学出身者しか正社員になれませんが、彼らは彼らで、レポートを毎日書かされています。そして、自分が知っている範囲でも東大卒の若手正社員が二人も飛び降り自殺をしています。」
このNTT契約社員のお話からは「戦後しばらくも実は女性を中心に非正社員は多かったが、1950年代、60年代に労働運動の力で正社員にさせてきた。それがまた、掘り崩されたのが、中曽根以降、とくにここ15年間の動きである」ということがよく読み取れました。
■全国のメーデーとも連帯
このメーデーは全国各地の独立系メーデーと連帯しています。札幌と愛知のメーデーからは、それぞれ、連帯のご挨拶も頂きました。
広島でのメーデー終了後、実行委員会事務局長のさとうしゅういちが、そのまま東京・渋谷区千駄ヶ谷区民会館(最寄り駅は原宿)を拠点に行なわれている「自由と生存のメーデー2010」に駆けつけました。
http://mayday.geo.jp/
メーデー概要
日時・場所
●5月2日(日) メーデー集会 千駄ヶ谷区民会館(渋谷区神宮前1-1-10)
地図:http://www.city.shibuya.tokyo.jp/est/kmkaikan/km_sendagaya.html
14:30 開場
一部 15:00〜17:30 「セーフティーネット???」
それは、困ったときの頼れる制度?福祉国家のイデオロギー装置?貧しき者の救済幻想?
富める者の免罪符?——サバイバル社会の、セーフティーネットの、深淵をめぐり先へ先へ
田野新一(フリーター全般労働組合共同代表)、雨宮処凛(作家)、ユニオンぼちぼち組合員(生保申請弾圧)、曽我逸郎(長野県中川村村長)、堅田香緒里(ベーシック・インカム日本ネットワーク)
二部 18:00〜20:00 「いらない仕事???−水商売・介助・警備・IT・カメラマン・NPO職員−」
「業界のルール」と「夜の常識」が、低賃金と悪条件を自己責任にする。
そこでどう生きる?どうする?これって「いらない仕事」なの?
●5月3日(月) デモ
13:30 共同炊事 新宿中央公園(水の広場) 全都実の共同炊事に参加
17:00 スタート サウンドデモ sideA 新宿中央公園(水の広場)
18:30 リスタート sideB アルタ前広場
(中央公園:新宿区西新宿2−11 http://www.city.shinjuku.lg.jp/seikatsu/file15_02_00001.html)
●5月4日(火)
13:00 ムービーユニオン メーデーvol.2 阿佐ヶ谷ロフト(杉並区阿佐谷南1−36−16−B1)
地図:http://www.loft-prj.co.jp/lofta/map.html
★主催:「自由と生存のメーデー10」実行委員会
連絡先
フリーター全般労働組合
新宿区西新宿4-16-13 MKビル2階
電話/FAX: 03-3373-0180 Mail: union(at)freeter-union.org
賛同費・カンパあて先
・郵便振替 00120-9-484797 自由と生存のメーデー実行委員会
・ゆうちょ銀行 店番=019、当座預金 0484797
佐藤周一。1975年11月12日広島県福山市生まれ、東京都育ち。現在の本籍地は広島市安佐南区祇園。
1999年3月、東京大学経済学部卒業。2000年4月、広島県入庁。県庁時代は、労働、医療、介護、男女共同参画などの行政に携わる。一方で、反貧困、野宿生活者支援、女性、若者、非正規労働者支援、男女共同参画、瀬戸内海の環境問題などに関する活動に従事。
2011年1月31日広島県を退職。同4月10日執行の広島県議会議員選挙(広島市安佐南区選挙区)立候補、4278票を獲得するも及ばず。同6月20日〜医療・介護関係の会社員。
所属政党 民主党(2011年1月まで)→無所属→みどりの未来(2011年8月から)
2010年度・労働組合・生存のためのメーデー広島実行委員会(略称:生存ユニオン広島)委員長。http://d.hatena.ne.jp/lifeunion/
1996年〜広島瀬戸内新聞社主 http://hiroseto.exblog.jp/。
TWITTER:http://twitter.com/hiroseto/
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